トルテックの自由の道④ 死への入門 : 死の天使の抱擁 〜トルテックの教え〜



個人の自由を獲得する最後の道は「死への入門」に対して備え、死それ自体を、自分の師とすることである。「死の天使」は、私たちに、どのように生きることができるのか教えてくれる。私たちは、いつ、いかなる時に死ぬかわからない。私たちがいるのは、現在ただいま、この瞬間だけである。このことに気づかせてくれるのが死の天使である。私たちは、明日、死ぬかもしれない。誰にもわからない。まだ、多くの年を生きると思っている。しかし、本当にそうだろうか。

病院に行き、医者に1週間しか生きられない、と言われたとする。あなたならどうするだろうか。ここには2つの選択肢がある。1つは、死ぬことで苦しみ、悩み、「可哀想な私、私は死んでしまうんだ」とみんなに言って、大騒ぎのドラマを演じることである。もう1つの選択は、あらゆる瞬間、幸福であり、本当に楽しめることをやることである。1週間しか生きることができない。ならば人生を楽しもうではないか。本当に生きようではないか。あなたは、こう言うことができる。「私は、本当の自分になる。もはや他の人を喜ばせるために人生を生きようとは思わない。また、他の人が私をどう思うかを気にすることもない。1週間しか生きられないのに、他の人の考えを気にすることはない。私は、ありのままの自分でいるだろう」。

死の天使は、私たちに、毎日を、人生の最後の日として生きることを教える。私たちは、毎朝、こう言って、この日を始めることができる。「さあ、目が覚めた。太陽が出ている。私は、太陽、全てのもの。全ての人に感謝を捧げよう。私は生きているからだ。もう1日、私は生きるからだ」。

これが、私の人生に対する見方である。そして、これが死の天使が私に教えてくれたことである。全てに対して開かれており、なにも恐れることがないことを知ることである。もちろん、私は、愛する人に対して、愛を持って接する。なぜなら今日が、どのくらいその人たちを、私が愛しているのか言える最後の日だからである。私は、もう一度、あなたに会えるかどうかわからない。だから、喧嘩をしたくないのである。

もし私があなたと大喧嘩をして、あなたに対して持っている感情の毒を全てさらけ出し、そして、あなたが明日、死んだとすればどうだろうか。私は、あなたに言った全てのことに対して、非常に罪の意識を感じるだろう。私は、どのくらい愛しているか、あなたに言わなかったことに対しても罪の意識を感じるかも知れない。私を幸福にする愛は、あなたと分かち合うことのできる愛である。あなたが私を愛しているかどうかは、問題ではない。私は明日死ぬかも知れないし、あなたが明日死ぬかも知れない。私を幸福にするのは、今、あなたにどのくらい愛しているのかを告げることである。

このようして、人生を生きることができる。そうすることで、あなたは死への入門を準備する。死への入門で起こるのは、あなたの心の中にあった古い夢が、永遠に死ぬことである。あなたは寄生体の記憶を持っている。しかし寄生体は、永遠に死ぬのである。

死への入門で死ぬのは、この寄生体である。死への入門が困難なのは、「裁判官」や「犠牲者」が、全力で死に抵抗するからである。彼らは、死にたいと望んでいない。そして私たちは、死ぬのは自分だけだと思っており、死を恐れるのである。

この地球の夢の中に生きていると、まるで自分たちが死ぬように感じる。しかし、死の入門に行き残った者は、もっとも素晴らしい贈り物を受け取る。それは「再生」である。再生を受ける者は、死から身を起こし、息を吹き返し、再び、ありのままの自分になる。再生とは、子供のようになることである。しかし子供のように荒々しく、自由であるが、そこには1つ、違いがある。違いは、私たちが無邪気さの代わりに、智慧を持っていることである。私たちは、飼い慣らしの絆を経ち切って、自由になり、心を癒すことができる。死の天使に降伏すれば、寄生体が死に、健康で、完全な理性を持って生き返ることがわかる。その時、私たちは、自由に自分の心を使い、自分の人生を生きることができるようになる。

これがトルテックの道において、死の天使が教えることである。死の天使は、私たちのところにやって来て、こう言う。「ここにある全てのものは、私のものである。それは、おまえのものではない。おまえの家、おまえの連れ合い、おまえの子供、おまえの車、おまえの仕事、おまえの金、全ては私のものであり、いつでも望む時におまえから奪い取ることができる。しかし、今はおまえに使わせてやる」。

もし、私たちがこの死の天使に降伏すれば、私たちは永遠に幸福である。なぜか、死の天使は、人生を続かせるために、過去を奪い取るからである。過ぎ去ってゆくあらゆる瞬間、死の天使は死んだものを受け取り、私たちは現在に行き続ける。寄生体は、私たちが過去を担い続け、生きることをとても重く感じることを望む。過去に生きようとすれば、現在を楽しむことはできない。未来を夢見る時、なぜ、過去の重荷を担い続けなければならないのだろうか。いつ、私たちは、現在に生き始めるのだろうか。これが、死の天使が私たちに教えることである。



4つの約束 ドン • ミゲル • ルイス
より抜粋、要約




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